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奥寺康彦が語るドイツでの日本人評価の現状「活躍できると見られていない」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

――弱小チームを強くするとは、どんなところでとくに能力を発揮していたんでしょう?

「レーハーゲルも、必要な選手を見る眼が非常に優れていました。ブレーメンは当時お金がないクラブでしたけど、僕は外国人で移籍金も安かったんですよ。ほかにも年齢が高くて干されてしまうような選手とかを連れてきて、つぎはぎだらけのチームでした。でも、そういうチームをまとめるのが本当にうまかった」

ブレーメン時代の奥寺氏。様々なポジションを務めて、チームから重宝がられたブレーメン時代の奥寺氏。様々なポジションを務めて、チームから重宝がられた――実際に2部から上がってすぐに5位となって、それからも上位を争うようなチームでしたね。

「5位が2回、2位が3回で、結局(在籍時に)リーグ優勝はできなかったんです(その後2度優勝)。なかでも最後のシーズンがいちばん悔しかったですね。ホームの最終戦がバイエルンと直接対決で、終了間際のこのPKを決めれば優勝という展開だったんです。でも残念ながらチームメイトのミヒャエル・クツォップがポストに当ててしまって。それで最後のアウェイで負けて、バイエルンに勝ち点で並ばれて、結局、得失点差で優勝を逃してしまいました。あれは悔しかった」

――ドイツでは9シーズンにわたってプレーされましたが、いちばん印象に残っているのはどんなシーンでしょう?

「やっぱりケルンで優勝した時ですよね。最初の年でいきなりあんなシーズンを経験できたのは、言ってみればすごく幸運でしたよ」

<目標をしっかり持って、海外にチャレンジしてほしい>

――今のブンデスリーガにおける日本人選手の状況は、どう感じていらっしゃいますか?

「少し前は香川真司や内田篤人とか、いっぱいいましたよね。日本人の評価は高かったし、重宝されてもいました。そこからしばらく経って、その数は減りましたよね。今はドイツに行って、すぐにレギュラーになれる日本人選手がなかなか出てきていない。活躍できる選手はいると思いますけど、それだけ今の日本人はドイツからあまり(使えると)見られていないということだと思います」

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