久保建英がジダンに引導を渡すか。不調レアルはビジャレアル戦が大一番

  • 小宮良之●文text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 11月21日、ビジャレアルの久保建英は、ホームでレアル・マドリードを相手に、その力を示すことができるだろうか。

 今シーズン、ビジャレアルで準レギュラーの座に近づきつつある久保にとって、所有先であるレアル・マドリードとの一戦は、今後の試金石となる。来シーズン、戦力として迎えられるか――。久保と同じように、他のクラブにレンタルで出されているブライム・ディアス(ミラン)、ボルハ・マジョラル(ローマ)、ダニ・セバージョス(アーセナル)、レイニエル(ドルトムント)ともども、実績と成長が求められるのだ。

 もっとも、世界に冠たるはずのレアル・マドリードのほうが、よろよろと足元がおぼつかない。もしビジャレアルに敗れた場合――。ジネディーヌ・ジダン監督は窮地に立たされるだろう。

ビジャレアル戦に敗れると立場が危うくなるジネディーヌ・ジダン監督(レアル・マドリード)ビジャレアル戦に敗れると立場が危うくなるジネディーヌ・ジダン監督(レアル・マドリード) 今シーズンのレアル・マドリードは開幕4試合まで、3勝1分けでリーガ・エスパニョーラ王者の面目を保っていた。しかし、昇格組のカディスにホームで敗れた後、暗雲が立ち込める。チャンピオンズリーグ(CL)開幕戦のシャフタール・ドネツク戦も、本拠地で2-3と黒星。大一番のクラシコで、宿敵であるバルセロナを敵地で1-3と打ち負かしていなかったら、ジダン監督の立場は危うかった。

 その後は、CLでボルシアMGに引き分けたものの、インテルに勝利し、ウエスカにも白星をあげて一息ついた。しかし、直近のバレンシア戦はアウェーで4-1と、屈辱的な敗戦となった。

 結果は低調だが、それ以上に内容が悪い。
 
ジダン監督は、もともと堅固な守備をベースに、相手を誘い込んでのカウンターを得意としてきたが、今シーズンはプラスアルファがない。欧州3連覇を果たした時のエースであるクリスティアーノ・ロナウドはとうの昔に去り、カリム・ベンゼマ、ルカ・モドリッチ、マルセロ、セルヒオ・ラモスなど、主力は確実に年を取った。チームをアップデートできていないのだ。

 センターバックは不安定さの象徴だろう。

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