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久保建英がジダンに引導を渡すか。
不調レアルはビジャレアル戦が大一番 (2ページ目)

  • 小宮良之●文text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 セルヒオ・ラモスは、勝負どころの攻守では欠かせず、リーダーシップも出色である。しかし、フルシーズンを戦う余力は残っていない。ラファエル・ヴァランは格下相手には盤石だが、昨シーズン最後の試合となったマンチェスター・シティ戦で見せたプレーで、セルヒオ・ラモスから独り立ちできておらず、クラブを背負う選手ではないことが明白になった。エデル・ミリトン、ナチョはあくまでバックアッパーだ。

「来季に向けてはセンターバック獲得が急務か?」

 スペインの大手スポーツ紙『マルカ』のWebアンケートでは、92%がイエスと答えている。それほど、人材難なのだ。バイエルン・ミュンヘンのダビド・アラバと交渉中と伝えられるが、ジダンは同胞のダヨ・ウパメカーノ(ライプツィヒ)にご執心か。 

 そして深刻なのが、ストライカーだろう。たしかに、ベンゼマは頼りになる。前線のプレーメーカーとして、カウンターも発動させられる。しかし、彼しか選択肢がないのだ。

 セルビア代表では得点を重ねるルカ・ヨビッチも、マドリードでは実力不足。そこでビジャレアル戦は、マリアーノ・ディアスの抜擢もあると言われるが、バレンシア戦でようやく今シーズン初めてプレーしたばかりだ。

 ヴィニシウス・ジュニオールを「ロナウドの再来」と期待する声もあったが、ブラジル人アタッカーは技巧には優れても、ゴールに近づくほど精度が落ち、決定力が足りない。

「PEGADA」

 それは相手をノックアウトする打撃を指す。レアル・マドリードの強さの伝統だったわけだが、今や風前の灯だ。

◆「連載・レアル栄光の歴史」>>

 守り切れず、得点が奪えない。直近のバレンシア戦は、ベンゼマのゴールで先制したが、その後は総崩れとなった。守備の要と言えるカゼミーロが新型コロナウィルス感染で欠場を余儀なくされたこともあって、4失点で沈んだ。

 ジダンはパワー&スピードをベースに、チームを作り替える考えを持っているという。ウパメカーノ、エドゥアルド・カマビンガ(レンヌ)、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)など、獲得候補選手はいずれもそのラインだ。

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