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南野拓実がCL開幕戦で見せた役割。0トップで出場時間は増える (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

 スペイン、イングランドの低迷は一過性の話で終わるのか。今後も引き継がれる傾向なのか。

 一昨シーズン(2018-19)優勝を飾ったリバプールは、昨季、決勝トーナメント1回戦で、アトレティコの軍門に降った。ディフェンディングチャンピオンとして、受け身になってしまった結果だった。連覇を逃す典型的なパターンにはまった格好だ。

 一方、昨季のプレミアでは、2位のマンチェスター・シティに勝ち点18差をつける断トツ優勝を飾っている。イングランドナンバー1チームの看板を背負って、今季のCLに臨む。チャレンジャー精神は回復しているのか。昨季同様、受けて立ってしまうのか。

 アヤックスとアウェーで戦うその初戦は、リバプールの今季の行方を占うに相応しい試合と言えた。

 一昨季、トッテナム・ホットスパーと対戦した準決勝で、最後の最後に逆転を許し決勝進出を阻まれたアヤックス。もしそこで勝利を収めていれば、マドリードで行なわれた決勝で、リバプールと対戦していたことになる。

 昨季は、マティアス・デ・リフト(ユベントス)、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)、今季はハキム・ツィエク(チェルシー)、ドニー・ファン・デ・ベーク(マンチェスター・ユナイテッド)と、2年前の主力が次々とビッグクラブに引き抜かれ、アヤックスの陣容はともすると戦力ダウンしたかに見えた。

 ところが、エリック・テン・ハーグ監督率いるそのサッカーは相変わらず優秀で、MFライアン・フラーフェンベルフ(18歳)、CBペール・スフールス(20歳)といった優れた若手もいる。目を惹くサッカーを展開するアヤックスに対し、リバプールは後手を踏んだ。受け身のサッカーをした。
 
 バイエルンから移籍してきた今季の目玉選手、チアゴ・アルカンタラがベンチ外だったこともあるが、リバプールのスタメンには、一昨季のメンバーとそう変わらぬ見慣れた顔が並んでいた。

 このチームの特徴は、前線に並ぶ3人(サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー)の存在が大きすぎる点にある。外せない選手の上位3人になっていることは、出場時間を見れば明白だ。まずは中盤選手が入れ替えの対象になる。他チームにくらべると頭が重たそうに見える。

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