2020.10.22

久保建英の先発がいつになるかを
指揮官の采配と傾向から分析する

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ビジャレアルの指揮官であるウナイ・エメリは、欧州で広く戦術家として知られている。スペインだけでなく、フランス、イングランドで強豪クラブを指揮してきた。セビージャ監督時代には、ヨーロッパリーグで3連覇を経験したこともある。ソリッドなプレースタイルを植え付け、しぶといチームを作る手腕には定評があり、選手のベースとしてフィジカルインテンシティを求める。

<持ち場を固く守って、お互いカバーし、一気に攻撃に殺到する>

 堅牢さと献身と速さが代名詞。それを集団として行なうことによって、勝利を呼び込む戦い方だ。

 エメリが求めるものは、久保建英のプレーと符合しているのか――。そこには、現状で小さなズレが見られる。それが、連続する途中出場という状況を作り出しているのだろう。

 はたして、久保はビジャレアルでスタメンを勝ち取れるのか?

 久保のアタッカーとしての資質に、疑いの余地はないだろう。

バレンシア戦の後半63分、ウナイ・エメリ監督に送り出される久保建英(ビジャレアル) 10月18日のバレンシア戦では、63分に交代出場している。68分には、ダニエル・パレホの決勝点をアシスト。いったんゴール前でパスを受け、コントロールにもたついたが、リカバリーして背後に入ったパレホへ右足ヒールでラストパスを送った。一瞬にして局面を変えたプレーは、真骨頂と言える。その後も、右サイドでボールをキープし、コンビネーションを使って、チームにリズムを与えていた。

 一方で、右サイド自陣でパスカットしようと足を出したところ、これが相手選手の頭に直撃し、危険行為でイエローカードを受けている。さらにアディショナルタイムには、コントロールが少し大きくなったところ、球際でスライディングに行った時に相手選手を蹴る形になった。これで2枚目のイエローで、プロキャリア初の退場になっている。

 どちらも厳しめの判定だった。特に2枚目は、久保が先にボールに触っているし、接触も最小限だった。試合後、クラブが「退場の取り消し」を申し立てたのは、当然のことだろう(その後、処分は撤回された)。