久保建英も続け。「修業系レンタル移籍」で開花したレアルの先輩たち (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 ただ、そんな苦しい状況のなかでも、持ち前のエレガントなプレーには無限の可能性を感じさせた。さらに課題とされたフィジカルやスタミナなども向上し、トップレベルで戦うための礎(いしずえ)を身につけたことは間違いなかった。それが、3年目のシーズン途中から所属元のレアルで開花した。

 わずか約2カ月で解任されたフレン・ロペテギ監督からカスティージャ時代の恩師でもあるサンティアゴ・ソラーリ監督に替わったことで、途中出場ながらバルベルデのプレー機会が増加。そして2019年3月に就任したジネディーヌ・ジダン現監督にもその才能を認められた。

 翌2019−2020シーズンになると、リーグ戦33試合に出場して2得点を記録。カゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースの「鉄板3枚」が君臨する中盤に割って入り、見事に主軸の座を勝ち取ることに成功したのである。

 その他、現在レアルでプレーする選手では、18歳でマジョルカから青田買い移籍したマルコ・アセンシオも、レンタル移籍で修業したあとに欠かせない戦力となった選手のひとりだ。

 2014−2015シーズンの冬の移籍で加入したアセンシオは、そのシーズンの後半戦はそのままマジョルカにレンタルされる形でプレーし、翌シーズンはエスパニョールに1年間の"修業系"レンタル移籍。そして2015−2016シーズンにレアルに復帰すると、特に2016年1月に就任したジダン現監督にその才能を高く評価され、現在に至る。

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 また、カンテラ育ちのルーカス・バスケスも、カスティージャで基礎を学んでからエスパニョールに1年間貸し出された。そしてラ・リーガで実戦経験を積んだあと、レアル定着を果たしている。

 現在不動の右SBとして活躍するカルバハルは、カスティージャで頭角を現したあと、買い戻しオプション付きの完全移籍(5年契約)でドイツのレバークーゼンに送られた。そこで活躍が認められて、わずか1年で買い戻しオプションが行使されている。レンタル移籍ではないものの、カルバハルも他クラブで修業を積んでから復帰した成功例と言っていい。

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