久保建英は不調でも変幻自在。ゴール&最高評価で「まさに主役だ」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「久保のマジョルカ、残留にしがみつく!」

 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、そう見出しを打っている。

 7月9日、リーガ・エスパニョーラ第35節。18位のマジョルカは本拠地ソン・モイスに12位のレバンテを迎え、2-0で勝利を収めた。順位は変わらないが、残留に望みをつないでいる。

レバンテ戦で今季4ゴール目を挙げた久保建英(マジョルカ)レバンテ戦で今季4ゴール目を挙げた久保建英(マジョルカ) 2005-06シーズン、マジョルカは残り6試合で「残留の可能性は5%未満」というメディアの予想を覆し、「奇跡」と言われたことがあった。4勝2分けという快進撃で残留を果たし、当時、終盤戦でチームのヒーローになったのが、大久保嘉人(東京ヴェルディ)だった。

 久保建英はいま、それを超えるセンセーションを起こしている。

 レバンテ戦で久保は序盤から"らしさ"を見せた。

 2分、右でボールを受けると、ゆっくりと持ち上がり、切り返す。そして左足でファーポストから入ったクチョ・エルナンデスの頭にピンポイントで合わせた。ゴールは決まらなかったが、決定機を作った。

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