大迫勇也、絶体絶命の最終節へ。ゴールで「不当な批判」を跳ね返せ! (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by picture alliance/AFLO

 そのケルンは2017-18シーズン、1部最下位に沈んで2部に降格。当時、大迫はブレーメン移籍を早々と発表し、落ち着いた状態でロシアW杯に臨んだ。ロシアで活躍できたのは、次のチームを決めるためにアピールしなければならないという精神的なプレッシャーから解放されたこともひとつの要因だったと、本人が認めている。

 今シーズンのケルンは当時とは違い、1部残留をすでに確定させているが、大迫にとっては大事な最終節を因縁のチームと戦うことになったわけだ。

 仮にブレーメンが敗れて2部に落ちた場合、大迫は移籍が濃厚だとされている。クラブは深刻な財政難に見舞われており、年俸の高い選手は抱えておけないという事情がある。

 今季の大迫はここまで6得点。大迫にとっては、ケルン時代の2016―17シーズンに7得点挙げているのがドイツでの最多得点で、それに迫る数字ではある。振り返れば、この6月を含め、好調な時期もあった。とはいえ、この得点数が示すように、シーズンを通してチームを牽引する存在だったとまでは言えないのも事実だ。

 もっとも、チームには他にこれといった得点源がなく、ミロト・ラシカの7得点に次ぎ、ダフィ・クラーセンと大迫がチーム内2位の得点数。そしてこれこそ、ブレーメンの得点数がリーグで下から2番目の36点にとどまっている原因だろう。

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