来季も現役の長谷部誠に福田正博が期待すること「彼ならできる」 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 攻撃的なポジションは、チャレンジ精神が旺盛なタイプの選手に合う。長谷部は攻撃的な能力を持っていたが、リスクを背負ってチャレンジするよりは、どちらかといえば堅実に仕事を遂行するタイプ。それだけにドイツに行ってポジションを後ろに下げたことが、彼の持ち味を最大限に引き出すことにつながった。

 日本代表にはジーコ監督時代の2006年1月に初招集されたが、代表に定着したのはドイツに渡った2008年以降。代表に定着していなかった頃に、浦和レッズで結果を残したことでドイツに行くチャンスがめぐってきた。長谷部はブンデスリーガ挑戦の理由を「自己主張できない自分を変えたかった」と、以前語っていたが、こうした自己分析力も長谷部が長くプレーできている要因だろう。

 長谷部のすばらしさは、思い描いている将来のビジョンに対して、そこに到達するために何が必要で何が足りないかを客観的に見る目を持っている点だ。環境を変える必要性があれば、そこに飛び込むこともためらわない。

 さらに、単に高みを目指すだけではなく、そこで生き抜くための努力を惜しまない。だから、ドイツに渡って半年あまりでドイツ語を習得し、その後はチームのキャプテンを任されるまでになった。

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