来季も現役の長谷部誠に福田正博が期待すること「彼ならできる」 (5ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 長谷部の契約は来年5月まで延長されたが、長谷部のポジションは肉体のみならず、経験がモノを言うポジションなだけに、彼自身がプレーをつづける気持ちを維持できれば、さらに延びる可能性はある。

 ただ、長谷部のプレーをもっと長く見たいと思う一方で、長谷部だからこそ切り開ける日本サッカーの新時代を見たいとも思っている。

 これまで日本の指導者が、手腕を評価されて欧州主要クラブの指揮をしたケースはまだない。ヨーロッパでの指導者ライセンスを持っている日本人はいても、監督や強化担当など責任ある役割を任された例はあまりない。

 多くの場合、語学力がネックになるが、長谷部にはその心配がない。さらに、若くしてドイツに行き、複数のチームを渡り歩きながら多くの指導者の下でプレーしてきたので、様々なノウハウを蓄積できているはずだ。

 4、5年前に会った時、長谷部は「引退後は寿司屋になりたいです(笑)」と冗談で語っていたが、最近では指導者という選択肢も入ってきているようだ。本場ヨーロッパのトップリーグのクラブで日本人が監督として活躍する夢を、長谷部なら実現してくれる気がしてならない。

 少し気の早い話しをしてしまったが、長谷部は今シーズンも来シーズンも現役でプレーする。来シーズンはコロナ禍が終息に向かって"これまでどおり"のスタジアムでプレーできるようになることを願うばかりだ。サッカーができる喜びを満喫しながら、"長谷部らしさ"を存分に発揮してほしい。

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