清武弘嗣のリーガ挑戦が半年で終わった理由。鬼門アンダルシアの特徴

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

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リーガに挑んだ日本人(10)

 エイバルでの乾貴士の成功は、日本人選手のルートを確実に広げた。

 2016年6月、ハノーファーでプレーしていた日本代表MF清武弘嗣(現セレッソ大阪)が、約8億円と言われる移籍金で、スペインの南にあるアンダルシアの名門セビージャと契約を結んでいる。ドイツ、ブンデスリーガからリーガ・エスパニョーラへ。攻撃的MFの移籍の経路は、前年の乾と同様だった。

2016年、ハノーファーからセビージャへ移籍した清武弘嗣2016年、ハノーファーからセビージャへ移籍した清武弘嗣 清武は入団早々、首脳陣から高く評価されていた。

「清武はポリバレントな選手だったよ。知性を感じさせた。球際で戦うこともできたしね」

 当時、セビージャでヘッドコーチを務め、その後はヴィッセル神戸を指揮することになるフアン・マヌエル・リージョの清武評である。

 事実、清武は開幕に向けた前哨戦、UEFAスーパーカップ(セビージャは前シーズンのヨーロッパリーグ王者)でレアル・マドリードと戦った試合でも、堂々の先発出場を果たしている。ホルヘ・サンパオリ監督の信望も厚かった。攻め続ける戦術システムのキーマンになるはずだったのだ。

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