大迫勇也の去就にも影響か。
ブレーメンは降格危機と経営危機の二重苦 (4ページ目)
ただ、大迫にプレミアリーグへの志向があるのは確かだが、現実的なことを考えるタイプでもある。「何がなんでもイングランドへ」と固執することはないと見られる。そして東京五輪の延期により、来季への影響はなくなった。それでも放出や退団の噂が絶えないのは、実はブレーメンの財政難によるところが大きい。
クラブが2部に落ちた場合、市場価値の高い主力から放出するのは当然だが、2部落ち以前に、クラブの経営自体が危機に立たされている。すでにリーグ戦中断の影響で3000万~5000万ユーロ(約36~60億円)の損害が発生していると言われている。雑誌『シュピーゲル』によれば、クラブは4月、ドイツ復興金融公庫への融資の申し込みが可能となる申請をしたと明らかにしている。大迫、ラシカらが移籍報道に名を連ねるのは、そんなクラブの台所事情の苦しさの表れだ。
逆風はそれだけではない。ブレーメンは試合時の警備費用の負担を巡ってブレーメン市との関係が悪化。さらに試合開催に関する権限を持つブレーメン州の内務大臣ウルリッヒ・モーラー氏の存在も、さながら「内なる敵」となっている。
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