19歳の怪物ハーランドが見せた底知れぬ才能。大型FWの概念を覆す (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 ボールを受けてからの流れるような動きはもちろん、ルイス・スアレス(バルセロナ)さながらのボールに対する反応と身のこなしは、大型ストライカーの概念を覆すに十分。ゴール前のポジショニングも秀逸だった。

 圧巻は、1−1に追いつかれた直後に決めた77分の決勝ゴールである。

 マッツ・フンメルスのロングフィードを途中出場のジョバンニ・レイナが受けた瞬間、1トップのハーランドは対峙するチアゴ・シウバがポジションを下げたことで生まれたスペースでパスを受ける。そして、ドリブルで前進するかと思いきや、ナイフのような鋭い切れ味で左足のひざ下を振り抜いた。

 すると、ペナルティエリアの外から矢のように放たれたそのミドルシュートには、名手ケイロル・ナバスの反応及ばず。ボールはゴールネットを破るほどの勢いで突き刺さった。

 シュートを放つタイミングも、精度も、天下一品。初速を含めた抜群のスピードでDFの裏に抜けるテクニックも兼ね備えるハーランドには、底知れぬ才能が次々とあふれ出てくる。

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