マテラッツィは「VARが導入されて残念」。DF論と元同僚の長友を語る (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

――あなたと同じく、セルヒオ・ラモス選手も闘志を前面に出してチームを鼓舞する選手ですが、そういったタイプのDFも減ったのではないでしょうか。

「その点に関しては時代の流れもあるだろう。VAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されて"マリーシア(※)"が発揮できない部分も増えてしまった。そこは個人的に残念だ。
(※)プレー中の駆け引きや機転。イタリア語ではマリッツィア

 とにかくサッカーは球際の強さが大切。DFは体を張り、相手を威嚇するような存在感も必要となる。ボールを激しく奪いにいき、そこでのバトルに勝たなければ試合に勝つこともできない。それはサッカーの真理であり、どれだけ時代が変わろうが変わらないことだ。『どんな局面でも相手FWに負けない』というメンタルの強さをピッチで表現することは、優れたDFの資質のひとつだね」

――時代が変わっても、DFに求められる役割は本質的に変わらないと。

「DFの仕事が増えてきているのは確かだ。攻撃の起点となるための足元の技術も必要で、戦い方も俺たちの時代より戦術的になっている。ただ、やはりDFの基本は相手FWをいかに抑えるか。優れたFWとDFのせめぎ合い、1対1の場面がサッカーの本質であり、観客にとってもお金を払う価値があるものだ」

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