西野朗率いる「アキラ・タイランド」の冒険。2026年W杯を目指す (3ページ目)
とにかく、積極的に自分たちの良さを出そう、と。後ろ向きな姿勢で戦うのではなく。そこを強調しました」
その一方で、練習場でも、会見場でも、ミックスゾーンでも、タイが抱える構造的かつ文化的な課題も口にしている。選手たちの向上心、協会のバックアップ、人々の真剣度など、日本で数々の栄光に浴してきた指揮官には、物足りないと感じるところがある。
「国民性なんでしょうけど、そこを変える難しさはあります。もどかしさも。でもここはタイなので。自分は覚悟をもって、やりがいを求めて来ています。だから発見や学びもありますけど」
西野監督とタイU-23代表の東京五輪を目指した冒険は、ここに終焉を迎えた。しかし「(才能の)原石はある」と指揮官が語るように、それをしっかり磨けるようになれば、次なる大きな目標の2026年W杯にたどり着けるかもしれない。国内リーグにも日本人監督が増えているタイで、西野監督の影響力はさらに増している。
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