本田圭佑、ボランチでの満足度は50点。自らチームの戦術を解説 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



「一方、プレーしていて、正直、ひとりで変えられる幅がチームとして、もうちょっと超えているなというのは感じている。いわゆる、負のスパイラルというか」

 記者のひとりから「(オランダ再デビューマッチとなった)スパルタ戦後、『ベテランを巻き込んでチームを立て直していきたい』と言っていましたが、この1週間、そういう作業はどうでしたか?」という質問を受けると、本田は「前半2点獲ったことが、それに表われていたと思うんですよ」と答えた。

「ただ、見てのとおり......。失点したりすると、それがなかったかのようにグッと崩れるというか。これがやっぱり、自信を失っているチームの(特徴)。

 点を獲った時は延命措置みたいな感じでよさげに見えているけど、失点した時にはチームの本性が表われるという、まさにそんな試合でしたよね。慌てる必要はないんですけど。まぁちょっと、若いチームにありがちな、失点のケースが多いなっていう感じはします」

 スルツキ監督は、CSKAモスクワ時代の強面のイメージからは信じられないほどフレンドリーで、多くのオランダ人から愛された。しかし、サッカーそのものは非常に守備的で、オランダ人が好む攻撃サッカーからは程遠かった。

 彼の出身地がボルゴグラードであることから「ボルゴ・カテナチオ」という新語も生まれた。それほど批判も大きく、エメンに負けて2連敗になった時点で、すでに地元メディアから集中砲火を浴びていた。

 そのスルツキ監督が本田をフィテッセに誘って獲得するやいなや、チームを4−4−2から4−3−3にして、中盤のコントロールにアクセントを置いたチームに作り変えようとした。それはもしかしたら、フィテッセでの最後の賭けだったのかもしれない。本田はその賭けのキーマンだった。

 ヘーレンフェーン戦後、ボランチでのプレーの満足度を問われた本田は、「まぁ、50点ぐらいかな。もっと伸びていけると思うんですけど。でも、非常に難しいなって思う部分が多くて」と言った。

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