2019.12.04

本田圭佑、ボランチでの満足度は50点。
自らチームの戦術を解説

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 11月29日、フィテッセは2点のリードを守りきれず、2−3で敗れてしまった。これでフィテッセは5連敗だ。ハーフタイムの笛が鳴り、インタビュールームに向かうと、レオニド・スルツキがテレビカメラに向かって「私はフィテッセの監督を辞める」と言っていた。

「サッカーは人生と同じで、何か小さなことで壊れてしまう。今日は悲劇だった。キックオフから40分、私はヒーローだった。しかし、90分後、私はゼロになった」(スルツキ監督)

ボランチとして出場したフィテッセの本田圭佑 第15節を終えて、フィテッセの順位は9位。

 フィテッセが8分に奪った先制ゴールは、サイドチェンジとスルーパスを交えてストライカーのティム・マタフズがフリーになり、技ありのループシュートで決めたもの。チームとしての狙いと個の力が融合した、鮮やかなゴールだった。

 一旦自陣に後退してブロックを作ったフィテッセは21分、GKレムコ・パスフェールのフィードから左サイドアタッカーのブライアン・リンセンが抜け出して2−0。その後、2ボランチの一角を担う本田圭佑のボールタッチが増え、40分までフィテッセが試合をコントロールする展開になった。

 ここまでは、とてもリーグ戦で4連敗しているチームとは思えぬ、自信に満ちた戦いぶりだった。

 しかし42分、不運な反則から奪われたPKでヘーレンフェーンに1点を返されると、フィテッセは一気に崩れていってしまった。まるで雪が太陽の光を浴びて溶けていくように、フィテッセの選手たちから自信が消えていき、中盤でボールを受けるのを恐れるかのように、攻撃と守備が前後分断されてしまった。

 スルツキ監督の言う「何か小さなこと」とは、ディフェンダーが不運にも相手と交錯し、PKを獲られてしまったことを指すのだろう。そこから、勝利から遠ざかっているチームのメンタルのもろさが浮かび上がってくる。

 やがて、本田がインタビュールームに姿を現すと、スルツキ監督の辞任について、「個人的には『今日負けたら(監督の辞任が)あり得るな』と思って挑んだ。彼がいたから(フィテッセに)来たという意味では、状況を救ってあげられず非常に残念に感じている」とコメントしてから、こう続けた。