シメオネ率いるアトレティコに異変。主軸移籍、得点力不足にケガ人続出 (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 ゴディン、リュカの抜けたCBでは、ホセ・ヒメネスがゴディンの後継者として守備のリーダーとなりステファン・サビッチがスタメンに格上げされた。しかし両選手ともに現在負傷中のため、新加入のフェリペとエルモソがその穴を埋めている。

 フアンフランとフィリペ・ルイスが揃ってブラジルのクラブに移籍したサイドバックにシメオネは、新たにトリッピアーとロディをレギュラーに迎えている。

 イングランド代表のトリッピアーはベッカムを彷彿とさせる正確な右足のキックを武器に、クロスだけでなくFKのキッカーも担当し、右サイドバックでサンティアゴ・アリアスを完全にリードしている。

 ロディはチームで唯一、左サイドバックが本職の選手。ブラジル人らしい高い攻撃力を備え不動のレギュラーになっている。またそのバックアップとして本来CBのエルモソ、そしてユーティリティープレーヤーのサウール・ニゲスが起用されることもある。

 中盤で様々なポジションをこなす、コケとサウールの絶対的なレギュラーの立場は昨シーズンと変わらず、急成長を遂げたトーマス・パーティがこれに追随している。そしてジョアン・フェリックスがFWで起用される場合、中盤4枚の残りひと枠を争うのはトマ・ルマール、マルコス・ジョレンテ、ビトロ、エクトル・エレーラ、アンヘル・コレア。

 シメオネがコケとサウールをどのポジションに配置するかで起用される選手が変わるが、グラナダ戦に先発起用され、すばらしいプレスを見せ、ユベントス戦でも先発起用されたとおり、ここに来て大幅にチームにフィットしているエクトル・エレーラが一歩リードしていると見ていいだろう。

 シメオネはシーズン開幕時、様々なシステムを模索した。第1節ヘタフェ戦ではトップ下にルマールを配置したダイヤモンド型の4-3-1-2、第2節レガネス戦ではロディが出場停止だったため、サビッチ、ヒメネス、エルモソをCB、トリッピアーとサウールをウイングバックに配置した5-3-2で戦った。そして第3節エイバル戦では再びシステムを4-3-1-2に戻し、それ以降はいつもどおりの4-4-2に落ち着いている。

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