鎌田大地にとって「忘れられないゴール」
になった殊勲の2得点

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 フランクフルトのMF鎌田大地が、アーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアムで躍動した。

 11月28日に行なわれたヨーロッパリーグのグループステージ第5節、アーセナル対フランクフルト戦。0−1でアーセナルのリードで迎えた後半10分、鎌田が同点ゴールを決めると、その9分後に今度は逆転ゴールを叩き込んだ。フランクフルトは2−1で逆転勝利し、決勝トーナメント進出に大きく近づいた。

 試合後、殊勲の2ゴールを挙げた鎌田のもとには、チームメイトが次々と歩み寄って抱擁。最後尾でDFラインを束ねていた長谷部誠も駆け寄り、鎌田の頭をくしゃくしゃにして得点と勝利の喜びを分かち合った。

鎌田大地のゴールに長谷部誠も大喜び鎌田大地のゴールに長谷部誠も大喜び 前半の鎌田は、ピッチ上で大いに苦戦した。3−4−1−2のトップ下として先発するも、ボールに触る機会が極めて少なく、シュート数もチャンス創出数もゼロ。見せ場はほぼなかった。

 しかし、苦戦の原因はチーム全体の問題にあった。「相手にかなりチャンスを作られていましたし、3、4点獲られてもおかしくないゲームだった」と、長谷部も前半を振り返る。

 そこで、ハーフタイムにシステムとメンバーを変更。選手をふたり同時に替え、システムも2トップから3−4−2−1の1トップに変えた。この軌道修正により、鎌田は「2」の位置にポジションを修正。最前線に駆け上がる回数が増え、ボールタッチ数も格段に増えた。鎌田は次のように語る。

「前半はよくなかったが、後半は切り替えてやらなければダメだと思っていた。頭の中はしっかり整理できていた。前半はすごく難しかったけど、後半は違うものにできてよかった。

 前半はFW2枚だったのが、後半からトップ下を2枚置くようになった。チームとしても前半は守備もハマっていなかったけど、後半はうまくボールが取れて、速いカウンターもできるようになった。ウチらしいプレーが後半はできた。1点入れば勝てるという印象はあった。チームとして後半改善できたのは、本当によかったと思います」

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