2019.09.03

香川真司、日本代表は意識せず
連係を高めるのみ。サラゴサで試練の時

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーガ・エスパニョーラ2部第3節、サラゴサはホームにエルチェを迎えた。香川真司は開幕から3試合連続となる先発出場を果たし、71分までプレーした。前節、アウェーのポンフェラディーナ戦で得点を挙げ、ホームでのゴールを期待されたが、得点はおろか、なかなかチャンスを作り出せずに終わった。試合は1-0でサラゴサが勝利した。

エルチェ戦、3試合連続で先発した香川真司(サラゴサ) ビクトル・フェルナンデス監督からの期待は相変わらず高い。香川が約1年間、実質的にプレーから離れていたことを理解したうえで、「コンディションが戻らなくても質の高いプレーを見せてくれる」と、信頼を得ている。布陣も、開幕直前に入った香川が一番生きるフォーメーションを採用したほどだ。4-4-2のトップ下に香川を置き、ラスト3分の1で得点に絡みやすい形を用意した。

 開幕戦のテネリフェ戦では、監督の意図がうかがえる時間帯もあった。成功したとは言えないが、香川にいったんボールを預け、攻撃の起点にするという形が何度か見られた。だが、時間とともに香川を経由せず、前線に蹴るようになる。サイド、フォワードに快足の選手がいることから、カウンターは機能した。逆に、つなごうとしてもつながらない。スペイン2部の実状が見えたような気がした。香川は得点に絡めなかった。

 続く2戦目は、香川らしいテクニカルなゴールが見られたが、チームは勝てず、引き分けに終わった。

 第3戦は、序盤から香川にボールが回ってこなかった。結局、「蹴る」「走る」「奪われてピンチになる」という、ボールがピッチをせわしなくいったりきたりする展開が続いた。香川が退いた後、試合終盤の得点シーンも、結局そんな肉弾戦の末に獲得したPKから生まれたものだった。

 この試合の香川について、第1戦、第2戦と打って変わって、スペインの各紙は総じて低評価をつけた。地元紙『スポルト・アラゴン』は「前半も後半も存在感がなく、孤立していた。攻撃の選択肢を欠いていた」とぶった切っていた。香川が退いたあとはさらにボールが収まらなくなり、ゴール前でのフィジカル勝負しかなくなったことを考えると、あまりにも一方的な評価だった。