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メッシ依存脱却へ。グリーズマンと
デ・ヨングはバルサの新機軸になれる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

 付け加えるならば、久保建英が手本にすべき選手であるようにも見える。目指すべきはメッシというよりグリーズマンである、と。

 スタメンを全取っ替えして臨んだ後半のメンバーにも注目すべき選手はいた。昨季のCL準決勝で、まさに終了寸前、トットナム・ホットスパーに逆転負けしたアヤックスの中心選手、フレンキー・デ・ヨングだ。背番号21はそのアヤックス時代と同じで、収まったポジションは4-3-3のアンカー。前半、セルヒオ・ブスケッツがプレーした、バルサでは「4番のポジション」と言われる場所だった。

 かつてはジョゼップ・グアルディオラが務めた、バルサの看板ポジションである。パッと見た印象は、本当に21歳なのかと疑いたくなるほど、落ち着き払うようなプレーだった。しかも、安部裕葵より1歳年長なだけの彼もまた、このチェルシー戦がバルサでのデビュー戦だ。落ち着かないプレーがあっても不思議はない。だが逆にデ・ヨングは、バルサに何年も前からいるような顔で、舞台を掌握するかのような大物感を漂わせながらプレーした。

 また、ブスケッツとは異なり高い位置もこなす多機能性をも備えている。バルサには近々、イヴァン・ラキティッチを放出するプランもあると聞く。もしそうなれば、その出場機会はさらに大きく広がるだろう。このデ・ヨングは、バルサに来るべくして来た、クラブとの相性がいい選手に見える。

 グリーズマンとデ・ヨング。バルサはいい補強をしたと思う。CLの準々決勝や準決勝で力尽きたここ最近の戦いから、ワンランクアップしそうな気配を感じさせる。これにネイマールが加わるという話も耳にするが、今季は失われた名誉を挽回するシーズンになるかもしれない。いずれにせよバルサのマックス値は上がったと見る。 

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