メッシ依存脱却へ。グリーズマンと
デ・ヨングはバルサの新機軸になれる
バルセロナが楽天カップ出場のために来日。埼玉スタジアムでチェルシーと対戦した。
チェルシー戦でバルセロナでのデビューを果たしたアントワーヌ・グリーズマン バルサと言えばレアル・マドリードと並ぶスペインの2大クラブであり、欧州の2大クラブとしても通っている。しかし、チャンピオンズリーグ(CL)の優勝回数では、レアルの12回に対して5回と大きく劣る。2位はミランで、バルサは3位の座をリバプールと分けあう格好だ。
もう少し復習をすれば、バルサに勢いがあったのはクラブとして2度目のCLチャンピオンに輝いた2005-06シーズンから、通算5度目の優勝を遂げた2014-15までの約10年間だ。その間、ライバルのレアルが低迷したこともバルサが光って見えた理由だった。
問題はそれ以降だ。ベスト8(2015-16)、ベスト8(2016-17)、ベスト8(2017-18)、ベスト4(2018-19)と、4シーズン連続で決勝に進めていない。一方ライバルであるレアルは、CL史上初の3連覇を達成。明暗がハッキリしている。バルサはレアルに大きく後れを取った状態にある。
レアルは昨季(2017-18)を前に、9シーズン在籍したクリスティアーノ・ロナウドをユベントスに放出。クラブとして再出発を図ろうとしたのに対し、バルサはリオネル・メッシへの依存体質から脱却できずにいる。健康的な姿を描いているのはレアル。心配になるのは新機軸を打ち出せずにいるバルサのほうになる。
バルサはこの状況からどのようにしてチームを右肩上がりに持っていくのか。メッシ、ルイス・スアレスに頼る体制を維持したうえで再建を図ろうとすれば、選択肢は限られているように見える。
ウスマン・デンベレ、フィリペ・コウチーニョ。昨季、メッシ、スアレスと絡むことになったのはこの2人になるが、リバプールから200億円以上の巨費を投じて獲得した後者は、金額に相応しい活躍ができなかった。2013-14シーズンにサントスから加入し、メッシ、スアレスと3トップを形成し、コウチーニョ自身と入れ替わるようにパリ・サンジェルマンに移籍したネイマールの代役になることはできずにいた。それがそのままバルサの戦力ダウンにつながっていた。
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