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まだ終わりじゃない。岡崎慎司、
レスター退団を明言して燃やす向上心 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 今日の試合は、4-3-3がハマっていた。この4-3-3に(自分が)当てはめられるかと言えば、なかなか厳しい。攻撃的に行きたい時に、2トップの一角、もしくはトップ下なら入れると思う。だけど、2-0でリードしている状況だと難しい」

 現在、ロジャース体制は4-3-3のシステムを主に採用している。CFには不動のエースであるジェイミー・バーディーが君臨。両翼にはドリブル突破の得意なアタッカーが入り、トップ下には技巧派MFのジェームズ・マディソンが収まる。つまり、岡崎のポジションがないのだ。ロジャース体制に移行した後も、岡崎の出番は途中出場の1試合(※18分プレー)しかなく、扱いはピュエル体制時と変わっていない。

 加えて、本人が「環境の変化」を強く望んでいることも大きい。今シーズンでレスター在籍4シーズン目。今年1月の時点で「今は必要とされているのか、されていないのかわからない状況。試合に出ても3分とか10分とかっていう状況は、選手として満足できない。自分を求めてくれるチームが一番」と語っていた。

 それゆえ、能力を正しく評価してくれる新天地に渡りたい気持ちは強い。岡崎は「ヨーロッパでもう一回、自分の価値を上げていきたい。レスターにいたのは4年になるけど、その経験を次どこで花開かすか。それが今の僕の楽しみ」と語気を強めた。

 岡崎としては、1月に「退団希望」を明らかにした時点で覚悟は決まっていたのだろう。レスターを離れて新しい挑戦をすると、心は決まっていたはずだ。だからこそ、今回の退団表明に迷いは見えなかった。

 残り6試合となった今シーズン限りで、岡崎はレスターのブルーのユニフォームを脱ぐことになる。しかし、本人はこう思っているはずだ。まだ終わりじゃない──と。そして、そう思える向上心こそが、清水エスパルスのFW8番手から、世界最高峰のプレミアリーグまで登りつめた原動力でもあるのだ。

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