ネイマール不在でもパリがCLで勝利。今季は悲願達成のチャンスだ
マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードで行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)のラウンド16第1戦。ビッグマッチとして注目されたマンチェスター・ユナイテッド(ユナイテッド)対パリ・サンジェルマン(パリ)の一戦は、手負いのパリが予想以上のパフォーマンスを見せ、0-2で先勝した。
ネイマールら主力を欠きながらも勝利したパリ・サンジェルマン そもそもこの試合は、ユナイテッドがオーレ・グンナー・スールシャール新監督の下で11戦無敗と好調をキープしていたのに対し、トーマス・トゥヘル監督率いるパリは主力に故障者が続出し、ベストとはほど遠いメンバーを組まざるを得ない状況だったため、戦前はパリが苦戦を強いられると見られていた。
ところが蓋を開けてみると、0-0で迎えた後半53分に、パリはコーナーキックからプレスネル・キンペンベが先制ゴールを決め、そしてその7分後にカウンターからキリアン・ムバッペが追加点。たしかに、ユナイテッドはジェシー・リンガードとアントニー・マルシャルが負傷交代を強いられたという不運はあったが、ネイマール、エディンソン・カバーニ、そしてトマ・ムニエも欠いていたパリが、内容でもユナイテッドを圧倒することとなった。
2アシストを記録したアンヘル・ディ・マリア、「MCN」トリオ(ムバッペ、カバーニ、ネイマール)で唯一出場を果たしたムバッペ、攻守に渡って完璧なプレーを見せたマルキーニョスなど、この試合のヒーロー候補は複数いる。しかしこの試合の勝因を、満身創痍のチームを勝利に導いた指揮官トゥヘルの存在を抜きにして語ることはできないだろう。
この勝利こそ、今シーズンのパリの強さを象徴する試合。トゥヘルのチーム作りと戦術プランがズバリ的中した試合だった。
この試合で注目されたのが、長期戦線離脱中のネイマールに加え、直前の国内リーグ戦で太腿を負傷したカバーニ、同じく脳しんとうによりムニエを失ったトゥヘルが、中2日という短い時間で、どのようなメンバーと布陣を採用するかという点だった。
これまでトゥヘルが試合開始時に使った布陣は6種類。そのうち、この試合で採用したのは、中盤3人が逆三角形となる4-3-3を採用するユナイテッドに対し、ダブルボランチとトップ下が三角形を描く4-2-3-1だった。
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