若手台頭のレアルに復調の兆し。欧州4連覇も「不可能ではない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 しかし、クラブW杯出場は、図らずも選手のコンディションを崩すことになった。

 12月12日、CLグループリーグ最終節で本拠地サンティアゴ・ベルナベウにCSKAモスクワを迎えると、0-3と大敗。国内リーグ17節には降格圏で喘ぐビジャレアルに2-2で引き分けている。そして1月6日、今年初のリーグ戦第18節もホームでレアル・ソシエダに0-2と敗れた。

 ソラーリ体制はぐらりと揺らいだ。3試合、結果が出ないと黄信号が灯る。それが常勝クラブの厳しさだ。

「5位まで転落し、首位バルセロナとの勝ち点差は10。リーグ優勝はもはや不可能だろう。欧州4連覇もこのままでは難しい」

 世論は一気に向かい風となった。

 しかし窮地に立っていたはずのソラーリ・マドリードは、鮮やかに挽回している。

 国内リーグではベティス、セビージャ、エスパニョール、アラベスに4連勝。そして2月9日にはアトレティコ・マドリードとの決戦を、敵地で1-3と制した。これで5連勝となり、第23節終了段階で2位に浮上。首位バルサの背中が見えてきた。

 また、スペイン国王杯でもレガネス、ジローナをたて続けに撃破。準決勝第1戦ではバルセロナとカンプノウで戦って1-1と引き分け、第2戦に向け、わずかながら優位に立っている。

 好転した理由として、まずはコンディションの問題が挙げられる。クラブW杯前後は遠征と過密日程で、選手の動きが鈍かったが、本来のプレーを取り戻しつつある。たとえば、ルカ・モドリッチはロシアW杯の疲労もあって低調な印象だったが、最近のプレーは上向いている。

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