中島翔哉に続け。欧州クラブの日本人青田買い激増は評価上昇の表れだ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 ポルティモネンセの中島翔哉(24)にしても、欧州に渡ってから真価を発揮するようになった。若くして注目されたものの、FC東京ではレギュラーを取り切れず、くすぶっていた時期もある。それがポルトガルでは、1年目でいきなり10得点を叩き込み、12アシストを記録したのだ。

 その中島は、「日本人選手の道を開拓した」と言えるだろう。安西、小久保に続いて、名古屋グランパスのMF深堀隼平(20歳)も、ポルトガル1部リーグ、ビトーリアへの期限付き移籍が発表された。日本人選手の活躍は、日本人選手の株を上げる。

 特筆すべきは、最近は挑戦者の年齢が下がりつつある点だろう。

 同じことはオランダでも起きている。堂安律(20)は19歳からオランダ1部リーグ、フローニンゲンでプレーし、いきなりチームMVPを受賞した。アジアカップでは日本代表の主力として活躍。右サイドから切り込んで攻撃は切れ味鋭く、左足は伝家の宝刀の如く、その名声は高まる一方だ。

 堂安の躍進もあって、今年1月には柏の中山雄太(21)がオランダ1部リーグのズヴォォレに移籍することも決まった。日本にいる複数のスペイン人指導者たちに「ポリバレント性」を絶賛されていた中山も"海外向き"と言えるかもしれない。インサイドハーフ、ボランチ、センターバック、サイドバックをこなせ、しかも左利きである点がセールスポイント。日本人が考える以上に、左利きの特性は重宝されるのだ。

 先駆者たちの成功もあって、日本人選手の海外進出は着実に増加しつつある。青田買いにつながるほどに――。Jリーグのクラブはうかうかできなくなってきたが、それは「世界が日本サッカーの実力を認めるようになった」ということかもしれない。

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