中島翔哉に続け。欧州クラブの日本人
青田買い激増は評価上昇の表れだ
1月の移籍市場が閉まり、この冬も多くの日本人選手がヨーロッパへ渡ることになった。
筆者がスペイン人エージェントから、MF安西海斗(20)に関する人物照会を依頼されたのは、一昨年のことだった。
「国際ユース大会での柏ユースのプレーは目覚ましかった! そこで、MF安西の日本での評判はどうだろうか? 大袈裟かもしれないが、セルヒオ・ブスケッツのような展開力があるように見えたぞ。スカウトの間でかなり噂になっている。おまえの意見を聞かせてくれ」
筆者は正直に答えた。
「安西という選手を知らない。プロ選手としてのプレーを見たことがなく、まったくわからない」
当時、安西は柏レイソルのトップチームに登録していたものの、リーグ戦での出場機会はなかった。一応、柏の選手たちにも確認を入れたものの、特筆して報告するような話はなし。脚色せずに、「日本人はこれまで、どのカテゴリーであれ、1シーズンはプロとして継続的に試合に出てからでないと、欧州で成功したケースは例外的」とだけ付け加えて返答した。
J2モンデディオ山形からポルトガル1部ブラガへ移籍した安西海斗 今年1月、J2モンテディオ山形に期限付き移籍していた安西は、電撃的にポルトガル1部リーグ、ブラガへの移籍が決まっている。1シーズン半の在籍で、25試合に出場。プロとしての経験は積んだということか。
安西の移籍がどのような経緯で進んだのかはわからない。紆余曲折もあったのだろう。ひとつ言えるのは、複数の欧州のクラブのスカウトが、Jリーグで出場経験のない日本人の若者に興味を示していたという点だ。
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