トルコで香川真司を待ち受ける困難。
それでも新たな環境で復活を期す
香川真司の移籍がようやく決まった。
ベジクタシュへの移籍決定後、ドイツ語による香川本人のメッセージは、インスタグラム、ツイッター、フェイスブックという世界各地で閲覧が可能なSNSで公表された。ドルトムントでの数々の美しい思い出の写真とともに、香川はこんな風に綴っている。
「ドルトムントファン、友人、関係者のみなさま
ベシクタシュへ移籍することを決めました。
今シーズンはチームを助けることはできなかったけど、これまでのサポートに感謝しています。今は新しいチャレンジを楽しみにしています。心からありがとう。ドルトムントが優勝することを祈っています」
1月31日、ベジクタシュ(トルコ)のメディカルチェックを受ける香川真司 移籍市場が閉まるギリギリのタイミングで、しかもドイツ語で発信したことにより、多くのドイツメディアがこれを大きく報道したのはもちろん、イギリスのメディアも「元マンチェスター・ユナイテッドの選手が......」と報じていた。その扱いから、香川がドイツとイングランドを代表するトップクラブでプレーしてきた選手であることを、あらためて認識させられた。欧州でプレーする日本人選手のなかで、知名度と評価において群を抜いた存在である証でもあった。
今季の香川はスタートからうまくいかなかった。ロシアW杯があって合流が遅れたことや、ルシアン・ファブレ新監督の就任という事情もあった。
香川自身、移籍先を模索していた。具体的にどことまでは言わなかったが、昨夏の時点での移籍が十分にあり得たことは、本人も認めている。新監督のもとでは準備期間が重要になるが、それらの要素が絡み合い、これまでになくフワッとしたシーズンインになってしまった。
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