中島翔哉に続け。欧州クラブの日本人青田買い激増は評価上昇の表れだ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 日本サッカー界が、世界から青田買いのターゲットにされつつある。
 
 やはり今年1月には、安西と同じ柏のGK小久保玲央ブライアン(18)も、ポルトガル1部リーグの強豪、ベンフィカへの移籍で合意した。

 小久保の場合、まだプロ選手としての出場経験はない。ただ、2018年に決勝進出を果たしたアルカスU-17カップにおいて、柏U-17の守護神として、トッテナム、レアル・マドリード、ベンフィカを破る立役者になった。パリ・サンジェルマン戦ではマン・オブ・ザ・マッチとして表彰されるなど、そのポテンシャルの高さがスカウトの間で高く買われ、獲得に至ったようだ。

 ここ数年、20歳前後の日本人選手が欧州挑戦へと足を踏み出すケースは、確実に増えている。

 今やハンブルガーSVでドリブラーとして名を売る伊藤達哉(21)も、柏ユース時代に国際ユース大会で活躍する姿が関係者の目に止まった。2014年のアルアインインターナショナルカップでは、グループリーグのハンブルガー戦でマン・オブ・ザ・マッチに選出されている。チームの準優勝に貢献し、大会MVPを受賞。多くのクラブが興味を示すなか、ハンブルガーを選んだ。

 伊藤は1対1で勝負する力に優れ、守備陣を崩すことができる。欧州のスカウトが舌なめずるタイプだ。だが、日本では「持ちすぎ」と言われて敬遠されることも。組織としての役割で縛り付けられ、力を発揮できないケースは少なくない。「日本でダメなら、ヨーロッパでもダメ」とは必ずしも言えないし、逆に「ヨーロッパでいいなら、日本でもいい」とも言えないのだ。

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