遅刻魔だけどすごいヤツ。デンベレ問題でバルサの管理力が問われている (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「我々選手にとって、デンベレは重要な存在だよ。誰だって、間違いは犯すさ。ロッカールームでの彼はいいヤツで、悪い感じはまったくない。ピッチでのプレーはさすがだし、ピッチ外のことは改善できるはずだ」

 バルサのチームメイトであるジョルディ・アルバは、はっきりとそう語っている。選手たちの間でデンベレの評判は悪くない。憎めなさを持ち合わせたデンベレは、愛されるキャラなのだろう。
 
 もちろん、デンベレは素行を改善しなければ、トッププレーヤーにはなれない。自ら意識を変えなければ、取り返しのつかないことになるだろう。しかし、チームで必要とされているのは間違いない。

 バルセロナは過去、多くの"問題児"を抱えてきた。ロマーリオ、ロナウド、ロナウジーニョ、ネイマールといったブラジル人選手たちは、とにかくナイトライフが賑やかだった。

「夜遊びしたおかげでゴールを決めている」

 ロマーリオには、そう公言するほどのふてぶてしさがあった。彼らの生活は品行方正とは言い難かった。事実、ロナウジーニョは夜遊びを改めなかったことで、放出されている。しかしながら、彼らの奔放さがチームを救う機会も少なくなかった。
 
 そもそも、「サッカーチームには様々なキャラクターがいるべきだ」と言われる。全員が真面目で働き者でも、爆発的なエネルギーは生まれない。鶏が先か卵が先か、個性的な選手がしばしば異能を備えている。

「組織を掌握するとき、監督は善良な人間だけを好むべきではないだろう」

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