クラシコでメッシもロナウドもいない影響はどこに出ていたのか? (4ページ目)

  • photo by Getty Images

中山 前線はベンゼマとベイルの2トップで間違いないと思います。ただ、イスコはこの試合でも前半から自由にポジションを変えていたので、確かにトップ下のようにも見えました。また、クロースとルカ・モドリッチの関係性が横並びではない時間が多かったので、クロースがアンカー、その前方にモドリッチとイスコが位置していたようにも見えました。ただ、その辺りはフレキシブルにやっていたと思います。

小澤 いずれにしても、ここのポイントとしては、マドリーがなぜ3バックにしたのかという部分です。当然これは、前半に自分たちの右サイドをバルサに何度も突破されていた点の修正なのですが、このシステム変更によってマークがはっきりしたと思います。

 前半はインナー(中央)に入ってくるコウチーニョを右サイドバックのナチョが見て、ナチョの背後のスペースにジョルディ・アルバが上がってくるところからチャンスを作られていましたが、後半はルーカス・バスケスがウイングバックの位置に入ってアルバにマンツーマン気味で対応したことでそのスペースをケアできました。ある意味、3バックにして守備の局面ではマンツーマンでしっかり抑えようという狙いははっきりと見えました。

 また、左に入ったマルセロとルーカス・バスケスのウイングバックが相手のサイドバック、ジョルディ・アルバとセルジ・ロベルトを完全につかみに行ったので、ある程度高い位置でプレッシングがかかるようにはなりました。

中山 そうですね、僕もルーカス・バスケスの起用が大きかったと感じました。彼が右サイドに入ったことで、前半に穴になっていた右のスペースをしっかり埋めることができました。とくに後半立ち上がりの時間帯は、一転してマドリーが中盤を支配するようになりましたし、ボールを奪われても左のマルセロは高い位置を維持しつつ、右のルーカス・バスケスが最終ラインに下がって最終ライン全体を左にスライドさせるので、5バックになることもありませんでした。このシステム変更によってジョルディ・アルバも前半のように前に出て行けなくなりましたし、試合の流れが大きく変わりましたね。

倉敷 その流れの中でマドリーを背負って立つマルセロの魂のシュートが決まります。後半立ち上がりのいい時間帯(50分)でした。この試合でプルバックできたシーンもおそらく最初ですね、このゴールシーンを振り返って下さい。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る