今季絶不調のレアル・マドリーの問題点は、クラシコの内容に表れている (2ページ目)
中山 現地の報道では、クラシコに勝とうが負けようが、もはや解任されることは確実と言われていましたから、最後の舞台になるかもしれない今回のクラシコでロペテギがどんな采配を見せるのか、僕も注目していました。
とはいえ、ここまでのロペテギのチーム作りを見ていると、おおよそのメンバーとシステムが予想できてしまうという傾向がありました。基本布陣は4-3-3を採用することがほとんどですし、メンバーも大きく変わらないので、相手にとっては今シーズンのマドリーは予想しやすく、対策を立てやすいチームになっていると思います。昨シーズンまでのジネディーヌ・ジダン監督であれば、対バルサはもちろん、試合ごとにメンバーやシステムを変えていましたが、それと比較するとロペテギはワンパターンという印象は否めません。
さらに、最大の得点源だったロナウドがいなくなったことに加え、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、新加入のマリアーノ・ディアスと、点を獲るべき選手があまり獲れてないという状況がありました。マドリーがそういった得点欠乏症の状態にあったことを考慮すると、当然ですが、戦前の予想はホームということも含めてバルサ有利と見ていました。マドリーは直近のチャンピオンズリーグのブルゼニ戦で勝利を収めましたが、決して内容が良かったわけではなかったので、多くの人がそのように予想していたと思います。
倉敷 では前半から見ていきましょう。小澤さん、マドリーは過去にバルサを苦しめた戦術をいくつか持っています。昨シーズンはオールコート・マンツーマンでバルサを苦しめたので、試合前日の記者会見でもロペテギには「プレッシングはどうするのか?」という質問が出ていました。でも、マドリーは普通に試合に入っていった印象があります。いかがですか?
小澤 普通でしたね。昨シーズンまではロナウドひとりが守備をしないことが許されていたので、カリム・ベンゼマとガレス・ベイルが守備面でもハードワークしていたところがありましたが、今シーズンはその反動なのか、2人の守備が少し緩くなっている印象があります。そうなると、なかなかチームとしてハイプレスというわけにはいかないので、基本的にはピッチを3分割した場合に「ゾーン2」と呼ばれているハーフウェイライン付近のエリアでセットして、バルサにボールを持たせて守備に入るという形をとっていました。
倉敷 中山さん、試合はマドリーがミディアムテンポで入ったことによって、バルサの守備はずいぶん楽でしたね。
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