ユベントス悲願のCL優勝へ「最後のワンピース」はロナウドの加入
蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.40
サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富なサッカー通の達人3人が語り合います。
今回のテーマは、開幕したチャンピオンズリーグ(CL)。レアル・マドリーからクリスティアーノ・ロナウドが加入したユベントスは、今季こそ優勝できるのか。ロナウド以外の新戦力や、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の手腕を分析する。連載一覧はこちら>>
――では続いて、今シーズンからクリスティアーノ・ロナウドが加入したユベントスについてお願いします。
クリスティアーノ・ロナウドが加入してリーグ戦も好調のユベントス小澤 今回優勝候補に挙げている4チーム(バルセロナ、レアル・マドリー、マンチェスター・シティ、ユベントス)の中で、ユベントスは他の3チームとは明らかに異なった特徴があります。まず、そこまでボールの保持にこだわらないということ。相手を見て、中盤を省略して前進することもあれば、ミラレム・ピアニッチを中心にきちんとショートパスを使って前進することもあります。
攻撃に関してはサイドからのアタックが特徴で、守備では完全にリトリート型。センターバックについても、レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスのように前に出て行く、サイドの裏のスペースを突かれた時に素早くスライド対応することがなく、基本的に真ん中にどっしりと構えて相手のクロスに対処する守備方法をとっています。チーム全体の成熟度も高く、現時点で見た場合、もっとも優勝に近いチームなのではないかと感じますね。
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