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ユベントス悲願のCL優勝へ「最後のワンピース」はロナウドの加入 (4ページ目)

  • photo by Getty Images

倉敷 昨季、つまりレアル・マドリー時代のロナウドは、ノックアウトラウンドに入ってからピークを持ってくるような下半身の作り方をしていましたが、ユベントスでのピーキングはどうなのか、注目したいですね。コンビを組むマリオ・マンジュキッチの役割に関して小澤さんはどう分析していますか?

小澤 ロナウドが入ったことで、真ん中で2トップを組むこともあれば、1トップでロナウドが左サイドというかたちもありますけど、4-3-3の前線1トップでプレーしたバレンシア戦でも左ウイングのロナウドが真ん中に残った時には左サイドに張ったりして、柔軟に対応していました。

 ユベントスでは左サイドでプレーしてきていますから、そこは問題ないですし、ロナウドをきちんと見ながらプレーできるので、ロナウドもプレーしやすいと思います。ロナウドの序列の高さを認めたうえで、「オレがオレが」という自己主張を抑えながらロナウドの脇役的にプレーできるマンジュキッチは、マドリー時代のカリム・ベンゼマのような存在になっていくんじゃないでしょうか。

倉敷 前回、小澤さんがレアル・マドリーのオフィシャル動画について触れていましたが、マドリーは勝ちたいという意思を目に見える形で示す選手が何人もいるチームです。そこから来たロナウドは、チャンピオンズにおける勝者のメンタリティーを知っています。そして誰よりも勝つことを願う人間に思えます。ジャンルイジ・ブッフォンのラストシーズンを飾るべく優勝を!と挑んだ昨シーズンも勝てなかったユベントスにとって、ロナウドがもたらすものは大きいでしょうね。

中山 いろいろな意味で、ロナウドはユベントスにとって「最後のワンピース」のような気がしますね。少し気になるのは、そのロナウドを獲得したジュゼッペ・マロッタGMが10月にクラブを離れるというニュースが入ってきたことです。マロッタはスキャンダルによってセリエBに降格させられたユベントスを、アントニオ・コンテを招へいするなどして黄金期を作るまでのクラブに復活させた功労者のひとりです。その彼が不在となった場合、今後何かしらの影響が出るかもしれません。

 それと、バレンシア戦でひとつだけ触れなくてはいけないのが、大きなトピックスとして世界中で議論となったロナウドの退場シーンです。あのシーンで注目しておきたいのは、主審は退場というジャッジを下す前にゴール裏にいるAAR(追加副審)に確認をしに行って、AARの助言によってレッドカードを提示しました。おそらく、主審の位置からは見えなかったところで、AARから無線が入ったのだと思います。

 そうしたら、このジャッジが世界中に波紋が広がったことに対するメッセージなのか、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)は来シーズンからチャンピオンズリーグにもVARを導入すると発表しましたね。

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