海外3年目の小林祐希。ロシアW杯は「オレがいたら...とは考えた」 (4ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

――ロシアW杯を見て、湧いてきた感情などはないですか?

「オレは現場の空気感や緊張感も味わえていないし、わからない部分もあります。ただ、ベルギー戦は2点リードしたところから逆転されたので、もしオレがピッチにいたら逃げ切れたのかなとか、相手を削ってでも何でも時間を潰せたんじゃないかとか、そういうことは考えましたよね。イエローカードは11枚もらっても大丈夫なわけだし、最悪1人退場になっても勝てればいいじゃないですか。ぶっちゃけ、オレならもっとズル賢いプレーができたかもしれないとは思います。

 日本人がアンフェアなプレーを嫌いなのはわかっていますが、実際にポーランド戦の最後はしたたかな戦い方もしていたじゃないですか。だからベルギー戦でも、何かあがき方があったんじゃないかと思うんです。オレがいたら勝てたとか、そういう話ではまったくないですよ。そもそも2-0まではパーフェクトな戦い方だったわけで、オレがいたら、そんな展開になっていたかどうかもわからないし(笑)」

――以前、カタールW杯でキャプテンを目指したいとの発言もありました。これまでのところ森保ジャパンでの招集はないですが、現在の代表への思いはどうですか。

「カタールでキャプテンを目指したいと取材で言いましたし、そうなれば一番ですが、呼ばれたらどんな立場だって行きますよ。代表に呼ばれたらそんなにうれしいことはないですから。そのためにも、まずはチームでしっかり結果を出したいと思います。

 ただ、何度も言っているとおり、別にオレは代表に入るためやW杯に行くためだけにサッカーをやっているわけではないです。サッカーはオレにとって仕事で、あくまで自分のため。それに4年後と考えると、いま14歳の中学生だってW杯に行くチャンスがあるかもしれないし、どうなっているかは誰にもわからない。そんなことばかり考えていてもしょうがないじゃないですか」

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