海外3年目の小林祐希。ロシアW杯は「オレがいたら...とは考えた」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

 だって、『後ろじゃプレーしない』と言ったらオレの価値はゼロですし、後ろでもプレーできれば価値は上がりますよね。ただ、オレのよさは前でこそ生きると思うし、そこでクオリティを発揮することがチームのためにもなると思うんです。正直、昨季までは、相手ペナルティエリアまで上がらなくていいとか、攻撃参加を控えるように言われるなど、相当我慢していました。それに、究極的にいえば守備のことだけを考えたら、オレじゃなくてもいいというか、オレじゃない方がいいじゃないですか。でも、オレは前で起用されても、そこでしっかり守備も頑張りますけどね」

――今季は過去2シーズンとは違った、本来の小林祐希が見られるかもしれない?

「今後も前で起用してもらえれば、もっと存在感を出せると思うし、チームも変わると思うんです。ここでは1年目が1ゴール0アシスト、2年目が1ゴール1アシストと、数字は出ていませんが、それでもずっと起用されてきたのは、オレのクオリティが評価されていたからじゃないですか。もちろん、前で起用されれば数字も必要になりますが、普通にやれれば結果はついてくると思います」

 話題を日本代表に変えると、小林は2016年5月、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で代表デビュー。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代にはたびたび代表に招集されていたものの、西野朗監督のもとで臨んだロシアW杯では、予備登録メンバーにも入らない悔しさを味わった。

――ロシアW杯は見ました?

「もうオランダに戻っていた時期だったので、コロンビア戦もセネガル戦もベルギー戦も、時差なく見られました。めっちゃ興奮しましたよ。もう、普通のサポーターと同じです。日本代表が頑張ってくれれば、それだけ日本人選手の価値も上がるし、知っている仲間が戦うわけですから完全に応援モード。ただ、グループリーグを突破したあとのベルギー戦の内容がよかったことで、すべてOKみたいな感じになっていましたが、4試合を戦って1勝しかできなかった事実はしっかり見る必要があるとは思いますけどね」

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