海外3年目の小林祐希。ロシアW杯は「オレがいたら...とは考えた」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

 小林はヘーレンフェーン移籍後、基本的に4-3-3のMFとしてプレーしてきた。だが、今季は少し状況が異なる。

 監督が交代し、ベテランのスタイン・スハールスが長期欠場していることもあって、攻撃色の強い21歳のミチェル・フラップ、得点力のあるノルウェー代表MFモーテン・トルスビー、昨季AZで10ゴールを挙げた新加入のベン・リエンストラら、攻撃的な選手と中盤に並ぶことで、これまで以上に小林の守備への負担が増しているように見える。

 そんななか、前節のADOデンハーグ戦では、今季初めて4-3-3の右の攻撃的な位置に入り、生き生きとしたプレーを見せた。

――デンハーグ戦は、右サイドで積極的に攻撃に絡むシーンが目につきました。

「監督からはオレの適性はボランチだと言われていたのですが、チームの結果が出ていないこともあって、前節は右サイドの前で出ました。昨季もケガ人がいたときに、5試合くらいやっていたポジションですが、やっぱり前の方が楽しいですね。より多く前でボールに絡めますし、右サイドバックの上がりもあるので、サイドに張っているだけでなく中に切り込んだり、攻撃面の自由度も高く、やりやすさもあります。正直、中盤に入ると(周りの選手の攻撃への意識が高いことで)、どうしても自重しなければいけなかったので。前で起用されたことで、前に行く気持ちを抑えなくていいのは楽ですよ。

――今後も前のポジションで起用されれば、さらに持ち味が発揮できると?

「だって、オレは(エンゴロ・)カンテ(チェルシー所属のフランス代表MF)じゃないですし、中盤でガツガツ相手を潰しに行くようなスタイルでもないですから。若い頃からトップ下をやりたいと言ってきましたけど、ヘーレンフェーンに来てからはずっとボランチをやってきました。3、4年前のオレだったら『トップ下じゃなきゃプレーしない』とか言っていたかもしれないし、それはこっちに来て成長した部分でもあります。

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