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進撃のクロアチア。忖度しない
監督が注入した熱いスピリットで戦う (3ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 そのほかにもダリッチ流の采配は続く。3戦目のアイスランド戦では、ケガで長く戦列を離れ、大会1カ月前に復帰したばかりのベテラン、DFベドラン・チョルルカをスタメンで起用した。経験豊かな彼の存在が、チームに安定感をもたらすと考えたからだ。一方で"ボクシッチ2世"とも呼ばれている若手FWアンテ・レビッチを積極的に使うなど、選手起用におけるインテリジェンスが光っている。

 1998年、クロアチアはフランスW杯に初出場して3位となり、世界中の人々を驚かせた。ズボニミール・ボバン、ダボル・シューケル、アレン・ボクシッチ、ロベルト・ヤルニ......彼らは国の英雄だった。生まれたばかりの国の代表ということもあって、チームには確かに熱いスピリットがあった。

 その後も、クロアチア代表にはヨーロッパのビッグクラブでプレーする優秀な選手が数多くいたが、1998年のようなスピリットを感じられるチームはなかった。しかし、今のクロアチアには20年前と同じようなスピリットがある。黄金世代と言われながら、これまで一度も決勝トーナメントに進めなかった選手たちが、最高に円熟し、最後のW杯に望みをかけている。特にルカ・モドリッチは真のリーダーに成長した。

 クロアチアは国民が誇りに思えるチームを取り戻した。誰もが今のチームに夢を抱いている。モドリッチ、イバン・ラキティッチ、マンジュキッチ......そして何より監督ダリッチの采配に人々は酔っている。

◆杉山氏は西野采配を支持。ベスト8進出の可能性は過去2回より高い>>>

◆露呈した限界。「乾、香川からのアドリブ」が西野ジャパンの戦術だった>>>

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