美しい辞任を選んだジダン。レアル監督はあまりに「ややこしい仕事」 (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by AFP/AFLO

 キエフでのCL決勝後には、クリスティアーノ・ロナウドとガレス・ベイルがチーム退団を示唆するコメントを残したことで、トップチームのロッカールームをコントロールするのが簡単ではないことが、あらためて明らかになった。

「疲労は監督をすればついてくるものであり、自然なこと」と、ジダンは話す。だが、レアル・マドリードのようなメガクラブを指揮することの身体やメンタルへの負担は、計り知れないものがあるはずだ。

 ペレス会長はジダンの決断を尊重し、「彼には相応しい休養が必要であり、これは"さようなら"ではなく"またすぐに"だ」と言って送り出した。だが、レアル・マドリードを去ってからベンチに再び戻った監督は、過去にファビオ・カペッロ、ビセンテ・デル・ボスケ、アルフレッド・ディ・ステファノと、数えるほどしかいない。

 現在、後任には、グティやラウルといった生え抜きのほか、ユルゲン・クロップ(リバプール)やマウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)といった外様の監督たちの名前が挙がっている。

 確かなのは、もし次にジダンがレアル・マドリードの監督に就くときには、ラファ・ベニテス更迭の補填のために起用された経験不足の若手監督ではなく、偉大なタイトルをチームにもたらし、サッカーの歴史に名を刻んだカリスマ監督を招聘することになるということだ。

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