コロンビア番記者「日本は準備不足だ。ニシノ? 知られていないね」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by Getty Images

 ゴールを決めた途中出場の中島翔哉が日本ではかなり評価されたようだが、日本が同点に追いつけたのは、マリのGKとDFに明らかに混乱があったから。アフリカ最終予選でグループ最下位に終わった相手との対戦だったことを考えても、あまりに低調な出来だったと言わざるを得ない」

 4年前にブラジル・クイアバで行なわれたW杯の日本対コロンビア戦も取材しているワーズウィック氏は、「日本の成長を見ることはできなかった」と断じた。

 では、コロンビア国内では、日本についてどう報道されているのか。

「報道されたことといえば、W杯2カ月前にハリルホジッチが解任されたことくらいだ。コロンビアで新監督のニシノ(西野朗)はほとんど知られていない。ハリルホジッチは、ピークを迎えてすでに5年以上が経過する本田圭佑や香川真司から、若手にシフトさせようと思ったのだろうが、その判断がロッカールームに悪影響をもたらしたのではないか。

 ハリルホジッチのやり方に問題があったかどうかはわからないが、いずれにしろ問題が深刻化した背景には、本田や香川らに替わるタレントの実力不足があったのではないだろうか。マリ、ウクライナ、ハイチと、いずれもW杯出場を逃した国々に勝てなかったことを考えても、日本はW杯の準備がまったく整ってないと見られている」

 さらにハリルジホジッチの解任について、ワーズウィック氏は続ける。

「解任の理由については、JFA(日本サッカー協会)からも正確には語られていないようだが、このタイミングでの解任には違和感があるし、奇妙に映る。解任するにしても、もっと早いタイミングはあっただろうし、後任のニシノにももっと時間が必要だったはずだ。ニシノは代表選手のことをよく知っていて、日本では尊敬を集めているようだが、現場ではここしばらく何の成果も挙げていない。そのうえ親善試合を数試合こなしただけでコロンビア戦を迎えなければならないのは、どう考えても理想とはほど遠いだろう」

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