マドリー、バイエルンの得点レシピを欧州サッカーの食通3人が味わう (3ページ目)
倉敷 チャンピオンズのベスト4あたりでしのぎを削れるライバルチームが、国内リーグにどれくらいいるか。半端ないハイテンション、ハイプレッシャーの中で戦うゲーム数において、バイエルンはやや不利だったかもしれません。キャプテンのトーマス・ミュラーは「このような試合で繰り返し見せてきた相手に対する畏敬の念をなくさなければならない」とコメントしていますから、ジレンマは感じていたのでしょう。
中山 確かにリーグアンのパリ・サンジェルマンほどではないにせよ、ブンデスリーガにおけるバイエルンは突出した実力を持っていると思います。実際、今シーズンはリーグ6連覇を達成していますし、今後も連覇が続く可能性は高いでしょう。
また、今シーズンのチャンピオンズリーグの勝ち上がり方にしても、パリ、ユベントスを破ってベスト4に残ったマドリーと比べて、バイエルンはベシクタシュ、セビージャと、比較的楽な相手だったことは否めません。
つまり、荒波にもまれないまま勝ってきたという道のりが、もしかしたらマドリーには内容で勝っていながら、勝負で負けてしまった要因のひとつになったのかもしれません。バイエルンも王者の歴史とメンタリティを持っているクラブだと思いますが、近年はマドリーやバルセロナと比べると、かなり差をつけられているような気がします。もちろんバイエルンだけの力では、どうにもできないことではありますが。
倉敷 ゲルマン魂という言葉は現地でもとっくに死語だそうですが、かつてのローター・マテウスのスタイルに代表される"最後まで絶対にあきらめない"スピリットを持ったキャプテンを見つけ出すことこそが、問題に解決をもたらすピースかも知れません。
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