マドリー、バイエルンの得点レシピを欧州サッカーの食通3人が味わう (2ページ目)

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 ただ、試合が始まってみると、バイエルンのCB2人に対してルカ・モドリッチとトニ・クロースが積極的にプレッシャーをかけて、クリスティアーノ・ロナウドがハビ・マルティネスを見るような形で守る意図がうかがえたので、納得できました。

 やはりジダンも最終ラインからのフィードやビルドアップを警戒していて、そのための4-3-3だったのではないでしょうか。

小澤 そうですね、モドリッチとクロースの2人が守備の時から前に出てプレッシャーをかけるための位置取りをしていたので、逆に攻守が入れ替わった時には高いポジション取りを活かした攻撃もできていました。

 それと、ここにきてカリム・ベンゼマやガレス・ベイルをスタメンから外してBBCを解体しても、メディアから何の批判も驚きの声も上がらなくなっていますが、それは裏を返せば、ルーカス・バスケス、イスコ、アセンシオといったスペイン人の若手の成長が際立っているという証明でもあると思います。序列も完全に逆転し、この試合でもその辺りがポジティブな方に出たと感じました。

倉敷 控え選手のレベルは興味深かったですね。バイエルンと同様、マドリーにも故障者が2人出ています。肩を痛めたイスコがハーフタイムでアセンシオと交代し、67分には右SBのダニエル・カルバハルが負傷して、ルーカス・バスケスが右サイドバックを担当せざるを得ない状態になりましたが、彼はとてもいい仕事をしたわけです。

小澤 故障中のナチョ・フェルナンデスも含め、こういうマルチなタイプは重要ですね。また、そういう選手でないとこのレベルではベンチにも入れないということだと思います。

 それと、この試合で僕が気になったのは、バイエルンのシュートミスの多さでした。もちろん、この日のケイロル・ナバスがヨシュア・キミッヒの先制ゴールのシーン以外で好セーブを連発していたこともあると思いますが、シュート本数にしてもチャンスの数にしても、バイエルンの方が上回っていたにもかかわらず、ここまでチャンスを逃したことは意外でした。

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