2018.05.23

マドリー、バイエルンの得点レシピを
欧州サッカーの食通3人が味わう

  • photo by Getty Images

蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.21

 2017-2018シーズンも佳境を迎え、各地で最高峰の戦いが繰り広げられる欧州各国のサッカーリーグ。この企画では、世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。

 今回のテーマは、前回に続いてチャンピオンズリーグ(CL)準決勝のレビュー。CL3連覇に挑むレアル・マドリーと、3冠を狙うバイエルンの対戦で、勝敗を分けたポイントはどこにあったのか? 欧州通トリデンテ(スペイン語で三又の槍の意)が分析します。
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2戦合計4-3でバイエルンを退け、CL決勝に駒を進めたレアル・マドリー――続いてもうひとつの準決勝のカード、バイエルン・ミュンヘン対レアル・マドリーのレビューに移りましょう。第1戦は1-2でマドリーが勝利し、第2戦は2-2のドローに終わり、トータル4-3でレアル・マドリーが3年連続の決勝進出を果たしたわけですが、まずはバイエルンのホームで行なわれた第1戦からお願いします。

倉敷 バイエルンのキープレーヤーたちがケガのために相次いでフィールドアウトしたことはとても残念でした。まず開始8分にアリエン・ロッベンが、そして34分にロングフィードも期待された守備の要、CBジェローム・ボアテングがピッチを去り、バイエルンは当初のプランが崩れたばかりでなく、前半のうちに交代枠としてのオプションが残り1枚になってしまったわけです。

中山 僕もボアテングのフィード能力がポイントになると見ていたので、早い段階で負傷してしまったのは本当に残念でしたし、百戦錬磨のユップ・ハインケス監督もさすがにキーマン2人を欠いたことでゲームプランが崩壊してしまったと思います。

 一方、マドリーがどのシステムを選択するかという点も注目だったわけですが、ジネディーヌ・ジダン監督はイスコとルーカス・バスケスをスタメンに起用し、4-3-3を採用しました。戦前は守備を意識した4-4-2を使うと思っていたので、随分と強気の采配だと感じました。