2018.05.08

乾貴士とダニ・ガルシアの友情。
「お辞儀パフォーマンス」をもう一度

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 それは、もう二度と見ることができないかもしれないシーンだった。

 ジローナの本拠地、エスタディ・モンティリビで行なわれたリーガエスパニョーラ第36節、ジローナ対エイバル。UEFAヨーロッパリーグの出場権を争っている直接のライバルである両チームの対戦は、1-4でエイバルが大勝した。

 後半のロスタイム、乾貴士が豪快な右足のシュートを放つと、ボールはジローナGKヤシン・ボノの手を弾き飛ばし、ポストに当たりながらチーム4点目のゴールとなった。その直後、ピッチ上にはキャプテンのダニ・ガルシアと笑顔で”お辞儀パフォーマンス”をする乾の姿があった。

ジローナ戦にフル出場、1ゴール1アシストの活躍を見せた乾貴士 エイバルのプリメーラ(1部)昇格に力を尽くしたダニ・ガルシアは、エイバルから約30km離れたスマラガの出身。ほぼ地元が生んだ選手といっていい。だが、来季は同じバスク地方のライバル、アスレチック・ビルバオへ移籍すると言われている。

 乾はこれまでもインタビューの中で、何度となく仲がいい選手としてダニ・ガルシアの名前を挙げてきた。仲がいいからこそ、信頼し合っているからこそ、2人は普段から「カブロン(クソ野郎)!」などと、侮辱的な暴言スレスレの言葉を、親愛の表現として投げつけ合っていた。だが、どちらも来シーズンはエイバルのユニホームを身にまとって戦うことはない。プロ選手としての宿命だろう。

 ミックスゾーンで乾は、次節のラス・パルマス戦がエイバルでのホームラストゲームであることについて質問されると、ひと呼吸を置いてから、この3年間を思い出すように言葉を発していった。