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レアルとバイエルン。4強「常連さん」の
戦術をCL研究家3人が説く (4ページ目)

  • photo by Getty Images

 では次に、セビージャ対バイエルン戦を振り返ります。ラモン・サンチェス・ピスファンで行なわれた第1戦は1−2でバイエルンが勝利し、第2戦は0−0、善戦しましたがセビージャは敗退、バイエルンが準決勝へ進みました。

小澤 まず第1戦ですが、セビージャはエベル・バネガを出場停止で欠きながらも、バイエルン相手にボール保持をしながら、序盤のハイプレスも回避してボールをうまく前進させることができていたと思います。そもそも31分のパブロ・サラビアの先制ゴールの前にも彼に決定機がありましたし、狙い通りの展開だったのではないでしょうか。

 ただ、バイエルンは経験豊富な選手が多く、失点後の対応がうまかった。慌てることなくプランとして持っていた長いレンジのパスを活用して押し込む展開を作り、すぐさま同点に追いつきました。1−1で迎えた後半も68分にティアゴ・アルカンタラが逆転ゴールを決めて勝ったというところは、さすがでした。

 やはりセビージャは、右サイドバックにヘスス・ナバスを使っているため、攻撃的に戦う時は効果を発揮しますが、押し込まれた時に脆さを露呈してしまいます。また、戦術レベルの高いラ・リーガのチームらしくグループで、攻守でコンパクトに戦いますから、バイエルンのようにミドル、ロングのパスを多用され、1人が受け持つ距離を広げられてしまうと各局面での優位性を保てなくなります。

 バイエルンは意図的にナバスとフランク・リベリーのマッチアップでの優位性を使うべく、右サイドにボールを運び、彼のカットインからのクロス、コンビネーションでの崩しから活路を見出してきました。実際、それで2点を奪っています。

 セビージャはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督になってからメンバーを固定して、ある程度攻撃面は機能するようになった反面、守らなければいけない時に守りきれないというリーグ戦の中で見えた課題が、この試合でも出てしまった印象は否めません。

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