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乾貴士、バルサを恐れず「こういう試合が
できるのがエイバル」と誇る

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 エイバルの本拠地、イプルアで行なわれたリーガエスパニョーラ第24節エイバル対バルセロナの一戦は、ルイス・スアレス、ジョルディ・アルバのゴールにより0対2でアウェーチームが勝利を収めた。

 試合を優勢に進めていたのはホームのエイバルだった。バルセロナを恐れることなく前線からハイプレスをかけ、リーガ首位のチームに形らしい形をつくらせなかった。

バルセロナ戦にフル出場した乾貴士(エイバル)バルセロナ戦にフル出場した乾貴士(エイバル) だが、前半16分、バルセロナの誇る天才のひらめきにより失点をしてしまう。リオネル・メッシがDFラインの裏に通した絶妙なパスから、ルイス・スアレスは簡単にネットを揺らした。

 そして試合終了間際の88分、今度はエイバルのGKマルコ・ドミトロビッチがブロックしたメッシのシュートのこぼれ球を、ジョルディ・アルバがゴールに押し込むと、イプルアは一瞬の沈黙に包まれた。だが、すぐさまスタンドは愛するクラブの名前を連呼し、ピッチに立つ10人の戦士たちにエールを送り、審判が試合終了の笛を鳴らすまでともに戦う姿勢を見せた。

 バルセロナ相手に0対2。しかも66分にファビアン・オレジャーナが2枚目のイエローカードで退場して数的不利な状況にあり、残り時間もわずかとなれば、他のスタジアムだったら家路につく人々の姿が多く見られてもおかしくないものだ。だが、イプルアの人々は最後まで戦いを見守り、全力を出し尽くした選手たちをねぎらうように温かい拍手を送リ続けた。

「ファンの方も諦めずに見てくれていたし、応援もしてくれていた。だから、自分たち選手が諦めるということはまずない。2点目を獲られたときもそうですけど、試合がほぼ決定づいたところで、ああいう声援というのは、他のスタジアムではたぶんあまりないことだと思う。

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