冷遇から脱出した原口元気。あえて2部デュッセルドルフを選んだ理由 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images


 この日は、直接得点につながるプレーはなかったが、「ヘルタだったら今日のプレーで『良い仕事だ』って言われていたけど、ここではもう1個、違いを作ってかないといけないと思ってる。そこをやっていきたいですね」と言う。

――それは監督からの要求でもあるのか?

「監督ともそういう話はしている。『ヘルタではこんな感じだったけど......』という話をしたら、『ここではもっとゴールに絡んでほしい』ということは言われた。それを求めて、それが伸ばせると思ったからここに来たのだし、そこの役割をもらえるというのは、自分にとって(いいこと)」

――ヘルタでの悔しい思いを晴らさなくてはいけない?

「それ(悔しさ)も感じてたし、だからこそ違う役割をやりたいな、というのもあったので。そういう意味では、ここではパスも来るし、悪く言うとフィジカル的に勝てる部分もある。ここで満足しちゃいけないけど、それをゴール前でやれるように、意識してやりたいと思います」

 自分がよりやりやすい環境を手にすることも、2部を選択した大きな理由だったことがうかがえる。自分を取り戻したうえで、見据えるのはもちろんW杯での活躍だ。

「今日はいいチャレンジができてたし、浦和時代だったら、ああいうところからグイグイ行ってドリブルシュートを決めていた。そういうプレーが半年で4~5本決まれば、自信を持ってW杯に行けると思う。ヘルタではそのチャンス自体が少なかったので」

 原口は、ひとりのサッカー選手としての真っ当な欲求と感想を再確認しているようだった。

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