カリスマなき老将、高齢DF陣...。W杯プレーオフのイタリアは大丈夫か (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 EURO2016後、コンテ監督はもともと新天地に決まっていたチェルシーの指揮官となり、後任にはジャンピエロ・ベントゥーラが就任。しかし、国際経験も、これといったタイトルも持たない当時68歳の老将の就任には、懐疑的な目が向けられた。

 そんなサポーターの不安は的中し、EUROの頃と顔ぶれはほぼ同じながら、ピッチ上のクオリティーは急降下。新監督のデビュー戦となったフランスとの親善試合に1-3で敗れると、スペインと同組となったW杯欧州予選グループGでもおぼつかない足取りが続いた。結局、首位スペインを一度も脅かすことなく、勝ち点5差の2位で予選を終えている。

 ベントゥーラ監督は、戦術的には4トップに近い形も用いるなど、アグレッシブなスタイルを掲げているが、それは往々にして過剰で著しくバランスを欠いたものになる。また、求心力という点でも前任者のコンテとは比較にならない。クラブでは好調を維持しているロレンツォ・インシーニェやマルコ・ベラッティといった選手が、今の代表で輝けない要因もそこにあるかもしれない。

 さらには、DF陣の高齢化がいよいよ顕著になっている。39歳の守護神、ジャンルイジ・ブッフォンは瞬発力が落ち、時に信じられないようなミスを犯すようになった。ユベントスからミランに移籍したレオナルド・ボヌッチは30歳を迎えたばかりだが、36歳のアンドレア・バルザーリは10月6日のマケドニア戦で負傷。33歳のジョルジョ・キエッリーニもフィットネスが安定しない。

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