大迫勇也は代表を考える余裕なし?ケルンがリーグ戦未勝利で火の車 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 一方でシュマットケ氏の就任と同時期である13年夏からケルンの監督を務めてきたペーター・シュテーガーはそのまま続投することになった。クラブ側はケルンを2部から1部へ昇格させ、昨季は5位に入って25年ぶりの欧州戦出場権を獲得したその手腕を買っていると言われているが、ビルト紙なども「降格まっしぐらなのに、監督解任の話がない」と疑問を投げかけている。

 大迫は言う。

「勝ててないんで......苦しいですよね。選手としてはやるだけですけど」

 大迫自身は今季、プレシーズンのケガで出遅れたものの、出場機会はコンスタントに得ている。しかしチームを去ったアントニー・モデストに代わる新しい相棒、ジョン・コルドバとのコンビネーションが形成できない。昨季15得点を挙げた生粋のセンターフォワードであるモデストと比べると、ストライカーとしてのコルドバの質の低さは否めない。ピサーロの緊急獲得はこの点を考慮してのものだったが、ピサーロだけでなくそのコルドバも現在は負傷で離脱中だ。

 不振の一因が故障者の多さにあるのは間違いない。前線の選手以上に痛いのが、マルコ・ヘーガー、ヨナス・ヘクターといったボランチができる選手の離脱だった。応急処置としての補強ポイントは前線ではなく、中盤だったのではないかと思えるほど手薄で、チームの形が見えてこないのだ。守備ではGKティモ・ホーンの獅子奮迅の活躍があっても、ここまでリーグ最多の22失点を喫している。

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