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「育成のバルサ」に異変あり。
バルセロナBには3種類の選手たちがいる (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 バルサBは堅実に、その伝統を継承していた。

 しかし同時に、時代に合わせてマイナーチェンジも図っている。 

 繰り返すが、バルサの強さの秘密はマシアにある。育成によって、バルサは世界に君臨している。リオネル・メッシを筆頭に、アンドレアス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ、ジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルトなど主力は、いずれもマシア出身者だ。

 この日、右インサイドハーフに入ったアレニャは、マシアの象徴的選手だろう。7歳からバルサの薫陶を受け、飛び抜けた技術を持っている。左サイドバックのマルク・ククレジャも14歳でエスパニョールから移籍し、マシア色に染まった選手といえる。「ジョルディ・アルバの後継者」と目され、傑出した攻撃力を見せる。また、右サイドバックのパレンシアも、10年以上マシアで過ごし、「セメドを大金で獲得する必要はなかった」とまで言われる。ユーティリティ性に長け、クレバーさが光る逸材だ。

 U―17W杯で活躍したFWアベル・ルイスのような新鋭も台頭しつつあり、その層は厚い。

 ただ、一方で今シーズンのバルサBは補強も図っている。20代半ばの"ベテラン"を次々に獲得。チョコ・ロサーノ、ヘスス・アルファロ、ルイス・ガラレタという選手たちだ。

 バルサBは当然ながら、ユースに近い年齢の選手が中心になる。エリート集団だが、リーガで歴戦の猛者を相手にした場合、若さからか勝負弱さを見せ、2部で生き残るのが難しい状況にあった。そこで2部B(3部リーグに相当)から2部に昇格した今シーズンは、経験のある選手を外から補強した。彼らにトップ昇格の道は閉ざされているわけではないが、実際には、主に2部残留への貢献が主な仕事になるだろう。

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